クリア「テイルズ・オブ・ゼスティリア」

 色々話題のテイルズ・オブ・ゼスティリアをクリアしました。

 発売後の批判が凄かったので、様子見してAmazonで1800円で購入。

 

 結論からいうと面白かったです。

 クリア時間は30時間ほど。睡眠を一回挟んで一気に2日でクリアしました。

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 据え置き版テイルズは一時期ゲームをしなかった頃の作品を除き、ほとんどクリアしているシリーズ好きの感想を書いてみようと思います。

 

 (以下、ネットの評価と比較しつつ感想を・・・ネタバレありです)

 

ストーリーについて

 

 テイルズおなじみの天然前向き馬鹿な主人公(褒め言葉)が苦難に立ち向かいながら世界を救う王道ストーリー。

 人の負の感情が「穢れ」を生むというテーマがあるため、全体的にしんみり悲しいストーリーが多いです(久々、テイルズでうるっと来ました)。

 

 前半は世界を救う道士となる主人公と、道士となることの意味(敬われ、そして恐れられる)を描きながら、人間と天族という2つの種族について語られて行きます。

 この2つの種族というのもテイズルおなじみのテーマですね。

 天族は、力のある人間にしか見えないが、これまで人間と共にあり、信仰を受け、土地神のように人間の街を守ってきた・・・しかし、今は信仰も失われ、人間に絶望した天族が「穢れ」となることも・・・と、ファンタジーの世界でいう精霊とか神の要素を持った存在です。

 この人間と道士、天族のあり方に触れるなかで、人間の衆愚的な側面や、俗悪的な側面も描かれるのでストーリーが暗くなりがち。

 後述しますが、じゃあ、暗いゲームなのかというと、そうではなく、むしろ明るく楽しい場面の方が多いです。

 

 だんだんと、世界に「穢れ」があふれつつあること、滅亡の危機にあること、その根本となる存在がいることがわかって来ます。

 この「穢れ」がもう一つのテーマで、悪=穢れではなく、悪いことをしているのに「穢れ」を生まないキャラクターなどが登場します(ネット上で批判されているヒロインロゼがまさにその一人)。

 「穢れ」の大親分ともいえる、ラスボスと戦うために、「穢れ」とは何か、「穢れ」から救う方法とは、そしてどうして「穢れ」てしまったのかを調べ、そして最終決戦に・・・。

 

 というのが大筋の流れです。

 テイルズらしいところをしっかり押さえた良いストーリーでした(ファンタジーらしくちゃんとドラゴンとも戦うしね)。細かいところを見ると風呂敷をちゃんと畳んでないところがあったりもしますが、先が気になり2日でクリアするぐらいの魅力と勢いあり。

 個人的には直近のエクシリア、エクシリア2よりは断然上で、ストーリーが大好きな、ヴェスペリア(黒い主人公ユーリはテイルズらしくないけどすごく魅力的)、ディスティニー2(英雄馬鹿カイルと馬鹿兄貴ロニが暴走気味に前進していたら、最後は英雄してた物語)には及ばないぐらいの評価です。

 

キャラクターとか会話とか

 

 今回は会話の量が半端ないです。

 おなじみチャット、移動中もちょこちょこしゃべり出し、戦闘中も敵毎に特徴などを話す仲間たち(全ての敵にあるかは未検証)、戦闘後のセリフもアリ(お約束のチョロアマも!!)。

 シリーズによっては重いストリーに、それに関しての重く沈んだチャットばかりということもあるのですが、今回は、ほぼバカチャット(褒め言葉)が展開。これぞテイルズ!!

 

 各キャラクターも楽しいです。

 ボケ&馬鹿で常にネタの素材を提供する主人公「スレイ」。

 なんとなく女性ゲーマーターゲットな気もしないわけでもないけど、つっこみ、いじられ、親友要素として申し分ない「ミクリオ」。

 イラスト見る感じだと、可愛さ満点の装飾で、個人的には気に入らなかったが、始めてみると見事に不動のボケ要素として君臨した「ライラ」。

 真面目で一途で、厳しい突っ込みに弱さを露呈したりと健気さをアピールしながら、しっかり笑いもとってくる「アリーシャ」。

 ロリ層を露骨に狙いすぎな気もする「エドナ」も、ツンデレという何の奇のてらい無いスタンスで成功を収めています。

 無口でクール路線の「デゼル」も動物好きと、ライラの寒いダジャレにも笑い出すという「クールに見えて実は・・・」的なところでしっかりポイント獲得。

 「ロゼ」もチャットにはちょいちょい出てくるが、チャット的には大きな特徴がない感じ。まぁ、メインストーリーでは重要人物ですが。

 (もう一人遅れて加入する人がいるんですが、ネタバレ自粛につき)

 

 会話の量、馬鹿さ加減は歴代屈指といって過言ではないですね(当然「ダオスをダオ(倒)す」という名言を残したPS版ファンタジアが至高ではありますが)。

 

戦闘

 

 戦闘システムは、ボタン連打でガンガン進めるけど、理解して進めようと思うとかなり複雑です。

 難易度「ノーマル」なら適度にレベル上げしておけば、ボタン連打+神衣化でゴリ押しクリア可能でした。

 

 武器には追加効果と効果の組み合わせによる恩恵があるので、上手く融合(=合成)して強い武器、防具を生み出して行くというやりごたえがありそうな合成システム。

 戦闘は攻撃方法による三すくみや、属性、回避ステップ、スタンなど色々な要素があり前述のように複雑。他のシリーズと比べて特別複雑かというと、そうでもないレベル。

 

 戦闘は楽しいですが、良く言われるようにカメラがダメダメです。

 壁や岩などのそばで戦うと、オートカメラが適切な位置を見つけられず、全然違うところを表示したり、変にドアップになったり、ガクガクしたりします。これは移動画面からそのままシームレスに戦闘に移行する今回のシステムではオートカメラは無理だったということに尽きると思います。通常FPSやTPSだと、まぁ、立ち位置やカメラによって同様の表示は再現可能ですが、普通ユーザーがカメラ視点を操作しながら進むので頻繁には発生しない問題です。

 難易度が高いモードで強敵との戦闘でカメラ視点の問題にぶち当たるとストレスたまりそうですが、ノーマルでゴリ押しするだけなら、まぁそんなに問題になりませんでした。

 そもそも、テイルズは3Dになってから広範囲のハデな魔法連発されると主人公どこで何してるかわからなくなりましたしね・・・。

 慣れてくると、この辺で戦うとまずいというのがわかってきて、視点に問題が無い位置取りが取れるようになってきますw

 

 1周目は戦闘システムにあまり触れずにストーリーを進めてクリアしたので、2周目は戦闘システムを楽しみながらサブストーリーも全部こなしつつ進めようと思います。

 

批判について

 

 ネット上ではかなり批判が出ており、Amazonの評価も星一つばかりという結果になっていますが、普通に楽しかったです。批判が噴出した結果か、中古で1800円というかなりの安値で購入できたのは嬉しいのですが・・・過剰に不当な評価という残念な気持ちもします。

 また、アリーシャが抜けるということを予め知った上でプレイしたのも感想に影響が出ているかもしれません。

 

 アリーシャの離脱については、もともと彼女は王族であり、国の問題に対して動いていることや、彼女に天族を見る力が無いこと、力の無いものを従士(という契約)とすることに対する負担などを匂わせる描写があったので、納得できないものではありませんでした(事前知識で知ってたというのも)。メインパーティを抜けるものの、彼女が国を良くしようと熱意と正義感で動くけど、空回りしたり、疎まれたりをパーティも目にしながら進んで行きます。最後には2国間の戦争を停戦に導くという重要な役割を果たすなど、サブキャラの中心として活躍し続けます。これは良い描かれ方だと思います。

 アリーシャが特別好きで、彼女がヒロインということに魅力を感じて購入した人や、ゲーム中に彼女に思い入れが湧いた人のショックもわからないわけではないですが・・・。

 FFのエアリスのときのような、パーティで操作可能ヒロインの離脱には十分な注意をという教訓を再確認する結果になってしまいました。

 

 ロゼの批判については、アリーシャの離脱問題の煽りをくらった部分が大きい気がします。

 暗殺者集団の頭領にして「悪い奴なら殺す」と公言し、「単純に悪=穢れではない」という問題を提起するという役割があり、難しい立ち位置(アリーシャほどヒロイン要素も無い)ですが、アリーシャ問題が無く、パーティ参加すれば特に問題はなかったキャラクターだと思います。

 

 カメラ視点・・・これは、明らかにマイナス要素です。

 3D描画の仕組み上、こうなるのは理解できるのですが、だからといってストレスが無くなるわけではない・・・。前述のように、まぁこれで全滅というシーンもあまりなく(ボス戦は大概広いスペースなので)、位置取りである程度緩和することができるのですが、この問題を抱えるぐらいならシームレスに戦闘じゃなくてもいいよ、と感じさせるでき・・・。

 

 それ以外にも、畳んでない風呂敷とか、広い世界なのにどこへ行っていいか不案内な場面があったり、ストーリーの都合上ファストトラベルできない場面や場所があるなど、細かい問題はありますが、細かい問題が無いゲームなんて見たことがありません(この辺の細かいかどうかの線引きは洋ゲーの影響が大きい気もする・・・)。

 

購入するなら

 

 魅力的なキャラクター、豊富な会話イベント、相変わらず楽しい戦闘(壁際のカメラを除く・・・)、テイズル王道主人公と、悲しいが続きが気になる展開など、かなり良作ですが、魅力的なキャラクターゆえに離脱で、プレイヤーの心を傷つけるアリーシャの存在に耐えれそうか検討して買いましょう。

 

 Amazonの中古1800円なら文句なしですが、フルプライスで買っても後悔はしなかっただろうなぁというのが個人的な感想です。

 エクシリアやエクシリア2もあまり不満を抱かずに楽しめたので甘い判断基準かもしれませんが(エクシリア、エクシリア2は及第点という感じですが、ゼスティリアは大満足です。カメラさえもっと良ければ!!)。

 

 私のようなシリーズは好きだけど、DLCに課金するほどキャラクターに思い入れしないタイプにとっては普通以上の、これまで通りの面白いテイルズでした。

 ネットの評価で購入を差し控えた方や、興味があるけど手が出しづらい方はご参考に。今なら価格もこなれていますので・・・。