ゲームの規制について考えてみた

 専門家でもゲーム関係者でもないので、1プレイヤーの意見。

 最近発売されたアサシンクリードヴァルハラの規制問題がきっかけで考えたので、主にヴァルハラを想定して書いていく。

 私個人の気持ちの流れとしては、規制内容が云々の前に、まず無規制のものがプレイしたいって想いがあって、規制内容に関わらず、規制があるというだけで気持ちが減点されたうえで、規制内容が許容できるか否かという話になる。

 ヴァルハラの規制に関しては、許容範囲、爽快感は落ちていると感じるけど。

規制は事前に選択できるようにしてほしい

 例えば、某殺人鬼が登場するゲームのように殺人シーンで画面が暗転するのは酷いと思うし、その時点で未購入が決断できる。

 規制があるゲームは、事前に通知して欲しいし、ファンを自負するゲーム以外は発売後しばらく様子見をする。

 今回のアサシングリードヴァルハラは、事前に告知があったが、その文言に流血に関する記述が無かったのが拙かった思う。

 規制されているから健全かといえば、腕は飛ぶし、首も飛ぶし、血も噴き出る時は噴き出るんだけど、規制されているシーンでは不自然な描写になってしまっている。槍で貫かれて背中から槍が突き出ているのに一滴も血が出ないトドメ演出などは、正直少し興ざめを感じる。

 欠損に対する規制など残虐表現への言及があるから、まぁ出血も過剰なものは規制されるだろうなぁという深読みはできるのだが、書いて無いのは間違いないので、怒りの声もわかる。

年齢制限の不徹底(CEROにさらなる上位レーティングを!)

 CEROというレーティング機関が年齢制限をかけてレーティングするのだが、正直子供でも遊ぼうと思えば遊べてしまう。

 Z指定だからといって大人だけがプレイするとも言い切れないので、個人的には今の過剰ともいえる規制に文句が言いにくい。

 AVや18禁ゲームのように隔離したコーナーで売れば良いのだろうか? まぁ、メーカーはそうしたくないだろうけど。

 バイオハザードみたいに規制によって版をわけるのなら、上記のように隔離コーナーで売っても良い気もする。

他ゲームとの差

 間が悪いことに、評判の良いGhost of Tsushimaで流血表現があった後でのヴァルハラなので、心証が悪くなった面はあると思う。

 個人的にはGhost of Tsushimaの欠損表現や流血は眉を顰める面があったので、アレをセーフラインというのは微妙な気がする。

 ギリギリを攻めたSucker Punch Productionsと安全策をとったUBI。

 ・・・と、書きながら無規制のヴァルハラはどうだったんだろう、とYouTubeで海外動画を確認してみたら、エグい(視聴は自己責任で)。

 完全に個人的な印象だが、Tsushimaが黒澤的な血しぶき流血なのに対して、ヴァルハラは海外のグロいB級スプラッター的な描写なのだ。

 今までのゲームの規制傾向からして、これは日本では規制入るレベルと納得。

 B級ホラーをこよなく愛する自分としては「この程度の表現」という思いもあるが、これまでのゲーム規制を考えるとUBIの判断は妥当だと感じる。

 まぁ、事前告知の際に流血についても触れておくとよかったと思うし、細かいことを言わずに「残酷と思われる表現の規制」というぼかした表現にしておけば「聞いてないよ!」という怒りの声は減らせたと思う。

 「規制に関する告知はどこまで必要か?」とか「UBIって開発チームと日本の販売チームの連携密じゃないから伝達不足とかあるよね」とか些細だが気になる部分もある。

PCとコンシューマー

 PC版はCERO通す必要があるか?

 サイバーパンク2077はPC版無規制で発売されるが、GTA5やバイオハザードなど表現が過激なゲームは規制を日本で発売する際にCEROを通しているので、各社事情はあると思うけど、大きな会社のゲームは特にCERO準拠の規制を行う傾向が強まる可能性は高い。

 日本メーカーだけがCEROを通すのかというと、先述のGTA5はCERO通しているし、支社が日本にあるなしとか、パッケージ版のあるなしという条件かなと考えたが、それでもないらしい。

他媒体との差

 映画や漫画といった他メディアと比べると、日本のゲーム規制は過剰だと感じる。

 逆に言うと、レーティング機関があるだけちゃんとしているということかもしれない。レーティング機関がちゃんと機能しているかは別の話で。

 規制やレーティングは必要だと思うので、ゲームの規制自体を批判はしないが、本当に成人しか買えない今の上限を超えたレーティングと販売形態があってもいい気がする。

 むしろ、レーティング機関には頑張ってもらって、ガチャのような高額課金を生み出す要素や廃人を生み出すような中毒性にもレーティングを設けて欲しい。

結局のところ

 日本のゲーム事情を考えると、規制やむなしだが、事前情報の誤りは下手を打ったと思う。

 そもそも、アサシンクリードで無規制版ほど残虐な表現はいらないから、アジアでも無規制で売れる程度の表現に留めておいて欲しいとは思う。

 そして、来年発売の銃撃メインでヒャッハーするFar Cryがどうなるかが不安・・・。

 

追記:パッチで解除されそう?

 アサシンクリードヴァルハラに関しては、UBI側の回答が右往左往したりとゴタゴタした結果、パッチで流血表現を有効にできることになるらしい。

 規制が無い方が嬉しいけど、今の不徹底なZ指定では、子供に配慮して規制はやむを得ない処置かなぁと思っていた身としては少し意外でもある。

 現状から一歩緩和に進んだというとらえ方もできるが、PC版でもCERO相当の規制を行う、という方向には変わりがない(上記ゴタゴタでCEROが相談受けてないし、流血ありで審査通したと発言しているのでCERO基準は満たしている)。

 UBIの方針が今後こうなっていくのか、ゲーム業界全体がこういう方向で行くのかという不安はある。

 ゲームが大人も遊ぶものであり、大人向けの作品も出ている現状とCEROの規制はミスマッチが生じているのも事実だと思う。

 子供向けにグロ・エロ表現を規制するのはわかるのだが、18歳以上指定のゲームで流血やヌード描写(上半身裸)が規制されるのには納得できない人も多いだろう(18歳以上がプレイするという前提で)。

 とはいえ、Z指定のゲームの大会で15歳が優勝するという事例があるのが現状だし、CoDやGTA5などを指定年齢以下の子供がプレイしているのも事実なので、規制が必要なのはわかる。

 追記する前にも書いたけど、Z指定に相応しい制限内容にできるなら、18禁コーナーに置くとか、身分証明が必要とか売り方や認証を強化しても構わないと思う。